RepRapでは電源を外付けにしているケースがほとんど。本体を置くデスクの上を少しでも空けたいからか、電源をもっと離して使いたいと希望される方もいらっしゃるようです。また、ATX電源ディストリビューター基板のユーザーの方からは「制御ボードへCOM・12Vともワイヤー1本ずつで配線して支障なく使えているけれども問題はありますか?」との質問がありました。そこで、改めて手元の環境で検証してみることにしました。

Printrboard(Rev B-D)、Minitronics、MakiBox 5D Print D8といった小型の制御ボードでは軒並みATX12Vの4Pプラグ用レセプタクルを電源入力用に装備していて、Sanguinololuも装備が可能な設計になっています。冒頭に掲載の写真はSanguinololuのセミ・クローンとして自家用に作ったAlladinololuのもので、ライト・アングル型の4Pレセプタクルを装備しています。メリットは4Pプラグを差し込むだけでワイヤー4本による電源の接続が簡単にできることです。(ほとんどのATX電源でAWG18のワイヤーが使われています。)

手持ちのATX電源、玄人志向KRPW-SS500W/85+(SeasonicのOEM)では各ワイヤーの長さは約60センチで、次のような実測結果になりました。(機体はeMAKER Huxleyクローン、ホットエンドは6.8Ωの抵抗体≒21W、ヒーテッドベッドはatom用の85Wを使用。)

状態 負荷 ATX電源出力電圧 制御ボード入力電圧 電圧降下
パワー・オン 12.29V 12.28V 0.01V
ホットエンド・オン
ヒーテッドベッド・オフ
12.21V 12.18V 0.03V
ホットエンド・オフ
ヒーテッドベッド・オン
12.16V 11.99V 0.17V
ホットエンド・オン
ヒーテッドベッド・オン
12.15V 11.98V 0.17V
モーター・オン
ホットエンド・オン
ヒーテッドベッド・オン
12.10V 11.90V 0.2V

この表から判るのは、ヒーテッド・ベッドのオン・オフをするとホットエンドの加熱に影響がある(入力電圧に0.2Vの変動が生じる)こと。また、負荷の増大に伴って電圧降下が大きくなること。しかも、これはかなり好条件下でのデータで、より消費電力の大きなMendelサイズのヒーテッド・ベッドを使ったり、電源と制御ボードを2本の長いワイヤーで接続している場合には、より悪化することになります。

少しでも良質なプリント結果を望むなら、対策としては複数のできる限り太いケーブルを使って、最短距離で電源と制御ボードを結ぶのが有効です。さらにRAMPSMegatronicsのようにヒーテッド・ベッドの電源経路が他から独立していることが望ましく、理想的にはホットエンドの電源経路も独立していることですが、これはRAMBoのような本格的で大型の制御ボードを使わないと実現できません。

追記: Printrboard(Rev F)ではATX電源のPCI Express用の6Pプラグに対応するべく変更になっています。(下図・左上) 今後、6Pレセプタクルの装備は小型ボードのトレンドになるかも知れません。