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atom用として昨年末に中華業者に発注しておいたポリイミド・フィルム・ヒーターの試作品(12V 60W)が先日届いたので加熱テストを行いました。

ポリイミド(polyimide)はDuPont™が開発した高分子化合物で、フィルム製品の代表格としてKapton®の名が知られています。電気的な絶縁性、耐熱性、耐薬品性、機械的な耐ストレス性に優れていて、産業のあらゆる分野で使われています。身近なところではデジタル・カメラやラップ・トップPCの中に使われているフレキシブル配線板の基材がポリイミド・フィルムで、エッチングを施したニクロムの薄い箔をポリイミド・フィルムでサンドイッチにしたものがポリイミド・フィルム・ヒーターです。

Exif_JPEG_PICTURE耐熱性の両面テープが貼られているポリイミド・フィルム・ヒーター裏側の剥離紙を取り去って、2ミリ厚154ミリ四方のアルミ板に貼り付けます。透けて見えるヒーター・エレメント側を下面にしていますが、事前のテストで下面側の遮熱・輻射対策によって温度推移が改善されることが判ったので、遮熱パッド(ガラス繊維のマットを重ねて保温フィルムで包んだもの)の上にコルク・シートと輻射用のアルミ・フォイルを敷き、その上にテスト対象を乗せています。

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テスト結果は上のグラフのようになりました。ヒーターを貼り付けるための耐熱両面テープが熱の伝導を妨げているような印象です。開始してから15分後に上面の温度が150℃を上回ったところで電源をオフにしました。(赤線が上面、青線が下面中央の温度。画像のクリックで原寸のイメージがオープンします。)

アルミ・フォイル無しでは下面の温度(青線)が途中から急激に上昇するような挙動を示します。アルミ・フォイルは輻射とともに加熱の均一化に一役買っているのでしょう。

Exif_JPEG_PICTUREatom β版のRPパーツと一緒にオプションとして頒布したPCBヒーテッド・ベッド(12V 90W)と比較してみましょう。2ミリ厚140ミリ四方のアルミ板を重ね合わせてクリップで止め、遮熱パッドの上に乗せています。先のポリイミド・フィルム・ヒーターほど熱の上昇が激しくないため、コルク・シートとアルミ・フォイルは敷いていません。

結果は下のグラフのようになりました。こちらも開始してから15分後に電源をオフにしています。(赤線が上面、青線が下面中央の温度。画像のクリックで原寸のイメージがオープンします。)

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まとめ: 耐熱性の両面テープが貼られたポリイミド・フィルム・ヒーターは、ヒーター・エレメントの発熱量に最適値があるような印象です。早く加熱しようとして消費電力を欲張っても、貼り付けた面の温度が追従するとは限りません。しかし、他のどんなヒーターよりも軽くて薄く、PCBヒーテッド・ベッドよりも少ない消費電力で、より効率の良い加熱性能を期待できることは確かです。

参考: http://etherpod.org/blog/?p=5222

※試作したサンプルの頒布は予定数を終了しました。