来週の土曜日から2日間に渡って催されるMaker Faire New Yorkを控えて、MakerBot Replicator 2の発表が行われた。一言で表すなら、マーケットを拡げるために捨てたものがあるなあ、という印象。中でも最大の要素がオープン・ソースの部分ではないかと思う・・・。

本体は粉体塗装が施された鉄製フレームをポリ塩化ビニールの外皮が被う構造。高精度を実現するためにはレーザーカット合板の組み合わせを捨てる以外に無く、それは同時に組み立て・調整の手間を減らすことに繋がるのだろう。さらに動作時の静粛性ももたらしてくれる。

合板製ボディーのReplicatorが2ヘッドでPLAとABSの両方の樹脂フィラメントに対応しているのに対して、Replicator 2では1ヘッドでPLAにのみ対応という風に変化・後退している。これも出力速度と精度、ヘッドの重量と駆動ベルトの寿命、コストといった要素のバランスから導き出されたものなのだろう。

MakerBot Industriesの前身となったRepRap Research Foundation (rrrf.org)は、かってRepRapのパーツを頒布するために活動していた組織である。そのメンバーたちがRepRapの創始者Adrian Bowyer博士の資金援助によりMakerBot Industriesという会社を興し、Cupcake CNCを売り出してからもずっとオープン・ソースの精神を失わずにいたことから、RepRapのコミュニティーではMakerBotは仲間・シンパとして見られていたように思う。

しかし、伝えられるところでは今度のReplicator 2と、ホストPC用ソフトウェアであるMakerWareは残念なことにクローズド・ソースということで、その姿勢の変化に対して既に一部で批難の声が聞かれる。いずれにしても結果はマーケットが出すということになるのだろう。

でも、これ日本でも購入する人が出て来ると思うけど、果たしてメンテナンスはどうするのかなあ?

追記: MakerBotの設立メンバーの一人でCupcake CNCの電装系(RepRap: Generation 3 Electronics)の開発を行ったZach Hoekenが、一年ほど前にMakerBotを離れて中国・深圳に住んでいるという記事を見つけた。彼の言葉によれぱ“got pushed out”「(会社から)追い出された」とのこと。MakerBotは2011年8月にベンチャー・キャピタルから1,000万ドルのファンドを調達しているが、その前後に何らかの軋轢が生じたのだろうか・・・。

Exclusive: Zach Hoeken on leaving MakerBot and his future.
http://www.hive76.org/hoeken

MakerBot CEOのBre Pettisから出されたオープン・ソースにまつわる内容のステートメント。

Fixing Misinformation with Information
http://www.makerbot.com/blog/2012/09/20/fixing-misinformation-with-information/

Bre Pettisのステートメントに対するZach Hoekenのブログ記事。

MakerBot vs. Open Source – A Founder Perspective
http://www.hoektronics.com/2012/09/21/makerbot-and-open-source-a-founder-perspective/

冷静なTom Igoeのブログ記事。

In defense of open source innovation and polite disagreement
http://www.tigoe.net/blog/category/open-innovation/408/